放射線腫瘍学講座 – 教授挨拶

 浜松医科大学放射線腫瘍学講座は、2015年4月に新設され、同5月に私が赴任いたしましてから、4年以上が立ちました。当初、関連病院を除くと、大学内は私を含めて2名の小さい医局でしたが、平成30年7月の時点で、スタッフ3名、医員1名(佐賀大学より当科に国内留学中)となり、また、新入局員として、2017年に1名、2018年に2名、2019年に2名が放射線腫瘍学講座に入局し、徐々ににぎやかになってきました。

 放射線腫瘍学講座は、静岡県にて、放射線治療の教育、診療、研究を担う唯一の国立大学医学部講座となります。精度の高い外部照射が実施可能なのはもちろんですが、子宮頸癌の腔内照射が実施できる病院は静岡県西部地区では当院のみ、放射性ヨード内用療法の入院病床を有する病院は静岡県内で当院のみで、総合的な放射線治療の研修が可能です。2020年頃には、放射線治療機器等の大規模な更新が予定されており、さらに効率的な放射線治療施設に生まれ変わる予定です。また、新専門医制度では、地域の基幹病院に加え、静岡がんセンター、愛知県がんセンター中央病院に研修施設群に加わっていただきました。これにより、大学およびふたつのがんセンターで放射線腫瘍医としての研修を行うことができる、全国でも貴重な研修施設となりました。

 研究体制も徐々に整い、様々な放射線治療機器開発などの臨床研究がスタートしています。2018年には、JCOG(Japan Clinical Oncology Group)放射線治療グループへの参加が認められ、今後質の高い臨床試験に取り組んでまいります。

 静岡県にはまだまだ、放射線腫瘍医が足りません。今後とも学生・若い医師に対する教育体制を充実させて放射線治療医育成に積極的に取り組み、静岡県、そして本邦のがん医療の発展に少しでもお役に立てますよう努力してまいります。

放射線腫瘍学講座 教授
中村 和正

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